「筋トレや有酸素運動をして汗を流した後のビールは最高!!」その気持ちは非常に良く分かります。「トレーニングしたから今日は多めに飲んでもいいや」と頑張った自分にご褒美でお酒を飲むと、せっかくにトレーニングの効果が半減されてしまうので注意が必要です。
ただお酒を飲まないとストレスが溜まるという人は、お酒を我慢すると余計に体に悪影響を及ぼすこともあります。そこで、お酒が体に及ぼす影響とトレーニングの効率に比較的影響の少ないお酒や飲む時間、量を解説します。
「お酒が好きでやめられない」という人はぜひこの記事を見て頂けたら。
アルコールが体に与える影響5つ
お酒を飲むとストレスホルモンの一種である「コルチゾール」というホルモンが多く分泌されます。この「コルチゾール」とは筋肉を分解する作用があるホルモンです。
ですので、お酒を飲めば飲むほどこの「コルチゾール」が大量に分泌されてより多くの筋肉が分解されてしまうのです。
お酒を飲むと男性ホルモンの一種である「テストステロン」が減少します。この「テストステロン」は筋肉を増量させてくれる作用があるホルモンです。
ですので、お酒を飲めば「テストステロン」が減少し筋肉の成長が妨げられるということです。
また、アルコールの分解には水分やタンパク質が使用されます。タンパク質は筋肉を成長させるのに非常に重要な栄養素です。
お酒を飲むことによりアルコール分解にタンパク質が使用され、筋肉の成長に必要なタンパク質が不足し筋肉が増量しないとということです。
アルコールは1gあたり7kcalもの熱量があります。ですがアルコール自体は体に蓄えられることなく熱になりエネルギーが消費されます(エンプティーカロリー)
ただアルコールを分解する過程で中性脂肪の合成が促進される為、体脂肪がついてしまいます。
また、アルコールの種類によっては糖質が多く含まれているものもあります。特にビールやワインや日本酒です。
そしてアルコールには食欲を高める作用もあります。お酒のつまみでカロリーや脂質の高い揚げ物などを食べることもあるでしょう。
糖質の多いビールを飲んで脂質の高い揚げ物を食べて、アルコールの分解で中性脂肪が合成されるといった流れで体脂肪がどんどんと蓄積されていくわけです。
先ほども記述しましたが、アルコールの分解には水分を使用します。またアルコールには利尿作用があるため体内の水分が失われて脱水症状になる可能性もあります。
人間の体の60~70%は水分で出来ています。また筋肉の70~80%は水分と言われています。このことから筋肉を成長させるには、体に適切な水分量があるという状態が非常に大切だと分かると思います。
アルコールの分解に水分が使用されて水分不足になると体に悪影響が及ぼすだけでなく筋肉の成長も妨げられるのです。
「お酒を飲まないと寝れない」という人もいるのではないでしょうか?確かにお酒を飲むと眠くなって早く眠りにつくなんてこともあるでしょう。
しかし、お酒を飲んで寝ると早く眠りにつけても眠りが浅くなって質が下がってしまうのです。
これはアルコールが分解されるときに発生する「アセトアルデビド」がレム睡眠、ノンレム睡眠のサイクルを乱してしまうからです。睡眠の質が低いと筋肉の合成や回復に必要な「成長ホルモン」が十分に分泌されません。
筋肉の成長はトレーニングで損傷した筋肉が回復された後に大きく成長するので、回復が不十分であれば成長も効率が悪くなるということです。
飲むならコレ!おすすめのお酒と飲むときのポイント!
「お酒が体に及ぼす影響は分かったけどやっぱりお酒は飲みたい」そんな人の為に飲んでもトレーニングに影響が少ないお酒と飲むときのポイントを解説します。
これを押さえておけば楽しくお酒を飲んでも大丈夫でしょう。
おすすめのお酒は蒸留酒の「焼酎」や「ウイスキー」です。なぜかというと蒸留酒には糖質が含まれていないためです。そのため飲んでも血糖値が上昇しにくく、脂肪がつきにくいお酒であると言えます。
ただ、蒸留酒でもジュースなどの糖質が含まれているもので割って飲むと意味がありません。
水や炭酸水で割れば糖質は含まれないので、焼酎の水割りやハイボールなどがおすすめです。
お酒を飲むときのポイント4つ!!
ポイント① 筋トレ直後にお酒を飲むのはやめよう!
筋トレ直後の疲れた体にビールを飲めば美味しいのは分かります。ですが、筋トレ直後から1時間ぐらいは筋肉のゴールデンタイムといって筋肉の合成が一番高まる時で、この時に適切な栄養(タンパク質や炭水化物)を摂取することにより筋肉が効率良く成長します。
先程記述しましたがアルコールは筋肉を分解する作用がありますので、この時にお酒を飲むとせっかく筋トレをしても非常に効率が悪く筋肉がなかなか成長しないということになります。また、筋トレ直後はアルコールが体内に吸収されるスピードも速くなるため、体にも悪影響となるでしょう。
筋トレ後にお酒を飲む場合最低1時間後、出来れば2時間程度空けた方がいいかと思います。筋トレ直後はお酒ではなくて、プロテインやBCAAなどを飲むと効果が高まりますのでお試しください!
ポイント② 飲み過ぎないようにしよう!
お酒を飲んでいると勢い付いてついつい飲みすぎてしまった!なんてこともあるでしょう。しかしトレーニングをしていてボディメイクをしているのなら飲みすぎには注意しましょう。
糖質が含まれてない蒸留酒を飲んでも飲みすぎはダメです。先述したようにアルコールの分解にはタンパク質が使われて更にその過程で中性脂肪がつきます。
お酒を飲む量が増えれば増える程影響が大きくなるので、お酒の種類や度数によりますが1~2杯でとどめておくのがいいでしょう!
ポイント③ つまみも低糖質・低脂質なものを選ぼう
飲むお酒を蒸留酒にして2杯程度しか飲まなかったとしても、おつまみに高カロリーで脂質も高い揚げ物などを食べていてはおつまみが原因で脂肪が増えるのであまり意味がありません。
おつまみもタンパク質が多く含まれている食べ物を選ぶといいでしょう。例えば、胸肉やささみ、冷奴、お刺身などがおすすめです。
ポイント④ 水も一緒に飲もう!
先述したようにアルコールの分解には水分が必要です。そして筋肉の成長にも水分が必要です。お酒だけを飲んでいてはアルコールの分解に水分が使用されて、筋肉の成長に使用される水分が不足してしまいます。
お酒を飲むときは意識的に水も一緒に飲むように心掛けましょう!
・まとめ
以上がアルコールが体に及ぼす影響とトレーニングをしている人がお酒を飲むときのポイントです。
筋トレを最大限効率良くするには食生活も制限する努力が必要です。ただそこまで本格的に鍛えているわけではない人や、全て制限するとストレスが溜まって余計に体に悪いなんて人はこの記事で紹介したお酒やポイントを押さえて頂ければ、お酒を飲んでも筋肉に悪影響が及ぼす事はほとんどないので安心して下さい。
本格的にトレーニングしていてせっかく頑張っているならその効果を最大限にしたい!という人はお酒を飲むのは控えて筋トレ直後は「プロテイン」や「BCAA」「ビタミン」などを積極的に摂取するようにしましょう。
お酒を飲む・飲まないに関わらずトレーニングを継続することが大切ですので、自分のライフスタイルに合わせてお酒とも上手に付き合って無理のない範囲で継続できるように頑張りましょう。